ストキャスティクスとは?設定数値と見方・使い方(計算式もあるよ)
バイナリーオプションに限らず、FXなど投資をしている人の多くが使っているであろうストキャスティクス(Stochastic)。
オシレーター系のテクニカル指標ですが、今回はそんなストキャスの計算式や設定数値、見方、使い方などを図解していきます。
バイナリーオプションでのエントリーポイントなども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ストキャスティクスの計算式
ストキャスには『%K』『%D』『SLOW%D』の3つの数値から成ります。
間近のローソク足の終値が一定期間内での最高値から最安値の範囲でどの辺りにあるのかを見ることができるテクニカル指標です。
インジケーター挿入時のデフォルトでは
【期間%K値】が【 5 】
【期間%D値】が【 3 】
【スローイング】が【 3 】
に設定されていますので、その数値をもとに説明します。
ストキャスティクス%Kの計算式
%Kの設定期間が【 5 】なので、
ローソク足5本の中で最高値と最安値を調べます。
その最高値と最安値の間をゾーンとし、
- 間近のローソク足の終値がゾーン内のどこにあるのか?
- 下から何%の位置にあるのか?
という事を出した数値が%Kになります。
計算式だけを見てもよく分からないと思うので、下記の図を見てください。
間近のローソク足(5本目)の 終値がゾーン内の最高値と 最安値のどの位置にあるのか?という事を計算すると、この場合は最安値(下)から64.9123%の位置にあるという事になります。これが、%Kになります。
ストキャスティクス%DとSLOW%D(スローイング)の計算式
%Dは%Kを移動平均化したものです。
期間は【 3 】なので、
間近3本分の%Kの合計÷3が%Dになります。
ややこしいと思うので図にすると、
上記の %K1 + %K2 + %K3 ÷ 3 × 100 = %D
という事になります。
SLOW%D(スローイング)は、%Dの3日分(n日分)を足して3(n)で割った単純移動平均になります。
それぞれの設定する場所は下記になります。
ストキャスを調べていると、【ファストストキャスティクス】【スローストキャスティクス】という言葉を目にすることがあると思います。
どちらも同じインジケーター【Stochastic Oscillator】を使うのですが、違いは
ファストの方がより相場に対して敏感に反応し、
スローの方はファストに比べると、ゆっくり滑らかな曲線を描いていきます。
スローイングを【 1 】【 3 】にして並べてみました。
図にすると一目瞭然ですね。
ファストの方が敏感に動いているのでカクカクしたラインになっています。より敏感に動く分【 ダマシ 】に遭いやすいので、初心者の方は【 スロー 】の方を使うことをおすすめします。
ストキャスティクスの見方
ストキャスは数値が『0』から『100』まであり、デフォルトでは『20』と『80』のところに横の点線が引いてあります。
『%K期間』『%D期間』の2本の線が
80以上になると買われすぎ、
20以下になると売られすぎ。
そのように判断することができます。
ストキャスはオシレーター系のテクニカル指標なので、
20以下になったら売られ過ぎなので逆張りのHighエントリー
80以上になったら買われ過ぎなので逆張りのLowエントリー
そういった使い方をする。。。と覚えている人も少なくないのではないでしょうか?
果たしてその使い方は正しいのか?それとも間違えているのか?
始めに書いている%Kの計算式を思い出してください。
間近ローソク足5本の【最高値】【最安値】をゾーンとし、【最安値から見て今はどのあたりに価格があるのか?】という事が%Kでしたよね。
ということは、
上昇トレンドが発生している場合って、80%を超え続けた状態でもおかしくないですよね?
下降トレンドが発生している場合も同様に、20%を下回っている状態が続くのって普通ですよね?
という事は?
トレンド発生時には使ってはいけない手法だという事になります。
今がトレンドかレンジかの見極めができない人が使うには、あまりにもギャンブルチックな手法になってしまいます。
本を読んだりネット上でのストキャスティクスの説明を読んだりもしますが、ほとんどが【逆張り】を推奨しており、トレンド発生時の注意点を説明してくれていないんですよね。何故なのでしょうね。
トレンド発生時に使う場合は、トレンド中の押し目や戻しを狙う場合に限って使うようにし、逆張りを使う場合は必ず【 レンジ相場 】もしくは【押し目買い・戻り売り】などを意識することを忘れないでくださいね。
ストキャスティクスの挿入方法&設定数値など
MT4のメニューから【挿入】⇒【インディケータ】⇒【オシレーター】⇒【Stochastic Oscillator】の順にクリック
設定画面が出るので、好みの数値に合わせて『OK』をクリック
※画面の数値はMT4デフォルトです。
すると、サブウインドウにストキャスティクスが表示されます。
【価格欄】は『Low/High』『Close/Close』がありますが、デフォルトでは『Low/High』。使っているほとんどの人も『Low/High』のようなので、デフォルトのままで大丈夫です。
【移動平均の種別】は『Simple』『Exponential』『Smoothed』『Liner Weighted』の4種類がありますが、デフォルトの『Simple』のままで大丈夫です。
それぞれの数値や種類は慣れてきてからあなたの使いやすいものに変更すればOK!
ストキャスティクスのエントリーポイント
20%、80%を超えた場合、いつかはそれぞれの数値(20%、80%)の中に戻ってくるのですが、いつ戻ってくるのかが分かりません。
その戻ってくるタイミングの参考となるのが、『ゴールデンクロス』『デッドクロス』です。
ゴールデンクロスとは、%K(緑色のライン)が、%D(赤い点線)を下から上に突き抜けるタイミングを言います。
デッドクロスはその逆で、%K(緑色のライン)が、%D(赤い点線)が上から下に突き抜けるタイミングを言います。
ゴールデンクロスで『買い(Highエントリー)』デッドクロスで『売り(Lowエントリー)』なので、上図を見れば全て勝てているように思えます。が、ゴールデンクロスもデッドクロスも確定するのはローソク足が確定したタイミングです。
なので、実際にエントリーできるのはその次足であって、クロスした足でのエントリーというのは『この足でクロスするだろう』という憶測のもとギャンブルチックなエントリーになってしまいます。
過去のチャートを見ればエントリーポイントが明確に分かりますが、リアルタイムでチャートが動いている場合だとそううまくいきません。『クロスすると思ったら逆に戻ってクロスしなかった・・・』そういう経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか?私も最初の頃は何度もあります^^;
ですので、エントリーするのはクロスが確定した次足0秒から。というのが一番確実に思えますが、当然ダマシという事もあるので負けてしまうこともあります。
ストキャスティクスの正しいエントリーポイント?
先ほどのチャートの場合だとどうなるでしょう。
クロスした次足0秒で1分取引をした場合です。※チャートは1分足を使用。
①②は勝つことができていますが、③はデッドクロスしたにも関わらず負けてしまっています。ストキャスを見てみても、下に向いていたはずがすぐに反転して上に向かってしまっています。
こうしたダマシを回避することができれば勝率も上がると思いませんか?
ストキャスはオシレーター系のテクニカル指標なので、現在の相場が買われ過ぎているのか?それとも売られ過ぎているのか?という判断材料として使うことができます。
ですが、トレンドの強さや勢いなどを見ようと思っても役に立ちません。
MACDやADXなどのトレンド系のテクニカル指標と組み合わせることによってダマシに合う可能性を下げることができます。そうすれば自然と勝率も上がってきますから、どのインジケーターが自分に合っているのか?色々なと組み合わせながら試してみてください。
長くなってしまいましたので、今回はこの辺で。以上、【ストキャスティクスとは?設定数値と見方・使い方(計算式もあるよ)】でした。
お疲れ様でした。
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